ネクスト・マーケット

金融危機が終息しその後の世界経済はどのように変わっていくのか
多くの専門家は次の変革のリード役を見据え幾つかの形態を提唱し
始めている。


-世界不況は峠を越えたのか。金融危機は収まったか。議論が活発
だ。国債大量発行のツケはいずれ各国と世界に回ってくる。欧州な
どには金融不安の新たな火種がくすぶる。事態は改善に向かってい
るが、とても警戒を解ける状況にはないのが現実だろう。

むしろ気になるのは危機の最中に議論の中心にあったテーマが、景
気に薄日が差したとたん、人々の関心から薄れ始めたことだ。パラ
ダイム・シフト。危機をくぐり抜けたあと、世界はどう変わっていくのか
という視点である。

世界の人口は世界経済が急降下する中でも新興・途上国を中心に
着実に増えている。2050年には90億人を超えるとみられ、毎年平均
、韓国や南アフリカ一国の人口に匹敵する5000万人以上が地球に増
えていく計算になる。

世界の風景を変えるのは人口増そのものではない。米ミシガン大教
授のC・K・プラハラード氏は著書「ネクスト・マーケット」(邦題、英治
出版)でこんな指摘をする。

世界にには1日2ドル未満で暮らしている人が40億人以上いる。この
層を顧客あるいは市場とみる企業が、安価だが良質の商品・サービ
スを提供することで人々の実質購買力と生活レベルを高め、富の格
差を叙々に埋めていく。

その際、企業には強い倫理観も求められるという。貧困層にいった
ん食い込んだ企業は、人々の所得向上に応じて自社の商品・サービ
スを提供し続けたいと考える。

顧客の囲い込み戦略だ。それには先進国の顧客と分け隔てのない
尊敬感を持つ必要があり、途上国政府や非営利団体などと良好な関
係を保つことも中長期的な成功に不可欠となる。

米マイクロソフトは世界市場を所得階層別に分けたグローバル・マ
ーケティングを展開。途上国では学校教育への寄付や政府支援を含
め、企業イメージの向上に多額の資金をつぎ込む。所得層別に開拓
する戦略はフィンランドの携帯電話大手フィリップスなどにも共通で、
ノキアなどは利益追求と地域貢献を企業活動の両輪と明確に位置
づけている。

金融危機が残した教訓は倫理なき利益追求の反省と米国中心経済
の限界、危機後も続いているのは新興・途上国の経済成長と人口増
だ。倫理観と社会貢献意識をしっかり持つグローバルカンパニーが多
軸化する政界経済の変革をリードする。そんな構図が見えてきては
いないか。-(三角 日本経済新聞2009/6/30)


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