ロックコンサート

久々にロックのコンサートへ行くことになりました。
その人のコンサート活動は、一年ぶりということもあり、
会場は多くのファンで埋め尽くされていました。


今回、名古屋の日本ガイシホールでのコンサートでしたが、
相変わらずファンの人たちの熱い声援に支えられ、2時間
15分の長いステージとなりました。

演奏前から会場入りするファンの人たち(特に白装束の
ファンの人達)は皆、「○○チャン」コールで、他のファン
の人たちを先導する準備でウキウキしている様子です。
会場はそんな人達により開演前から異様な雰囲気に包まれ
るのです。

白いスーツに身を固めた人達は広い会場の所々に点在し、
俄かに席を立ち上がると、片手をまるで応援団長のように頭上
高くまっすぐに持ち上げると
「○○ちゃん、○ーちゃん!!」と叫び始めるのです。

すると、その周りにいた人達は、間の手と共に、リズムを作っ
ていくのです。サンサン七拍子のように、

「○ーちゃん!」とんとん、「○ーちゃん!」トントン、

といった具合に、軽快に掛け声と手拍子が交互に鳴り響いていきます。

そしてその輪は次第に会場全体に広まって、1階や2階のあち
らこちらでも、同じような光景が重なって見られるようになる
のです。

開演前から、そんな状態ですから、静かに座っている人(私)は、
浮いたような、今ひとつ空気に馴染まない存在になるわけです
。それでもアリーナ席を取ってくれた友人達はご機嫌なわけで
、それを横目に座席一万人、一人一万円としても、、、、とか
そんな事を考えて、流石にロックのスターはすごい、と思うわけ
であります。

さらに続々とやって来る、異様な出で立ち姿のファンに圧倒され
ながら、それでも普通(に見える)人もいるわけで、そうなると、
どうか私の隣には普通の人がやってきますように、と願うように
なります。

私の左隣はなかなか埋まらず、このまま空席ならいいな、と思っ
ていたのですが、前方から座席No.をチケットと見比べながら探
している風の中年短髪男性(バイクなんかに乗っているっぽい人)
を発見。どうやら、私の隣の席らしく、座席を見つけると、ホッとす
るように腰を下ろしたのであります。

風態はジージャンに普通のパンツスタイルで、どうみても一般的。
白装束のファンからすれば、全体に常識っぽい感じの人であります。
落ち着いた雰囲気の中年男性です。

さあ、いよいよ開演です。すでに会場は「○ーちゃん」コールの
応援団長と共に熱い雰囲気に包まれていました。
辺りは暗くなり、いきなり、強烈なスポットライトがステージに
当たったかと思うと、真っ白な衣装に身を固めたスターが登場です

しかも、大音響。

強烈なビートと共にロックの音楽が会場の隅々まで響き渡ります。
ファンはさらに熱狂し、「○○ちゃ~ん!!」の声援が止まりませ
ん。そして会場の全員が総立ちとなりました。

ここで、座っている人はまず居ません。全員総立ちなのですから、
私も立ち上がり、身体でリズムを取りながら、アフタービートで
手拍子をしていきます。大抵の人達は1,2,3,4と手拍子をし、自分
の気持ちを、スターとその音楽に向けているかのようです。

私は2と4にあいの手を、さらにコンサート終盤以降は2だけに手
拍子する横着ぶり。

そりゃ、疲れますからね。2時間近くアップテンポの総立ちでの
ビート刻みですからね。疲れますよ。

しかし、スターも還暦。汗びっしょりで息も荒くなってはいました
が、歌に乱れは少しも無く、流石にすごい、と思ったわけでありま
す。バックのミュージシャンもそりゃあ、すごい人達ばかりで、演
奏をかなり堪能させて頂きました。

ベースにグレッグ・リーさんもいらしたので、頑張っていらっしゃ
るのですねぇ、と思いながら、主役のスターさんが、スタンド付き
のマイクをヒョイ、と振り回すとサッと身を交わしながら演奏する、
という職人芸を見せて頂き、変なところで感激したわけであります。

そんな、こんなで、始終大盛り上がりのうちに、スターは舞台の袖
に消えて行ったのであります。しかし、ファンの人たちは帰りませ
ん。
アンコール、アンコールとばかりに。(まだ聴き足りないのでしょ
うか。。)いや、違うようです。


実はタオル投げをやっていないのであります。


ファンは唯単に、遠い所から、バスタオルを抱え、会場に集まった
訳ではありません。会場でタオル投げが終わらない限り、ファンも
帰るに帰れないのであります。

これは、この方のコンサートでのお約束であって、この何十年もの
間、こうしたスタイルは形成され、コンサートは支えられてきた、
といっても過言ではないくらいの、イベントなのであります。

コンサート当日、会場へ向かう人々を見ると、電車の中からでも、
何処でも、誰のコンサートへ向かっているのかが、一目瞭然なので
あります。特に熱狂的なファンは白い帽子に白いスーツ、白い靴に
、黒いTシャツを着ています。

それだけでも、すでに普通の人から見れば異様な出で立ちで、
誰のファンなのかが分かるのです。

しかし、隠れファンは何で判断するのでしょうか。


それは、タオルなのです。


バスタオルを手に持っていたら、絶対に某ロックファン間違いない
のです。ちなみにこのタオル1枚5000円です。これまでにもツアー
が行われる度に毎年新しいタオルが発売になりました。

ファンの人たちは年代により、レア物と呼ばれるタオルの収集に命
も掛けているようでありました。いや~ファンとは有難いものです。

さて、例の隣の「大人し系」の男性、ステージが始まり、本物が
登場するやいなや、いきなり変貌!!!

「○○ちゃ~ん!!」と
絶叫に近い大声を発しているではありませんか。

そのうちに、踊るわ、唄うわ、しかも、全部の曲を全て覚えていて
、、、、。「あなたの歌を聴きにきたのではないのですから、

すいません。少し黙っていてくれませんか。少なくとも一緒に歌を
唄わないで下さい。」と言いたかったのですが、言えませんでした。


終盤、スターが舞台の裾に消えてから、暫く経ちますが、タオル投げ
は終わっていないので、誰も帰ろうとする人はいません。

ようやく、スポットライトがステージの裾を照らしたかと思うと、
スター、最初と同様、真っ白なスーツで登場!!

すると、スタッフの一人にタオルを肩に掛けてもらい、やるき
満々。スタッフはタオルを丁寧に大事そうにスターにに掛けて
いるではありませんか。

すると、スターは「楽しんでますか~~!!!」とファンの人たちに
確認。

「まだまだ行くぜ~!!!」と言うと、以前にも増してヒートアップ
したパフォーマンスを繰り広げ、タオル投げの準備万端です。


このタオル投げ、圧巻であります。一万人が全て、曲に合わせて
タオルを頭上高く投げるのです。

「乗ってるかぃ!♪」という曲の時はその次に続く「あ~はん!」
のハンの所で全員、一万人がバスタオルを上に放り投げます。

これがファンには堪らないのでしょうねぇ。

アンコール曲が実に長く、4曲を唄い、「帰ってからビール飲んで下
さい!」と仕舞にはファンを宥めて終了に持って行きたいスター。

「まだやる?」とファンに聞くロックスター!ファンは「ウォ~!
」と力強く声援。しかし、スターの偉い所は「もう止めようぜ!」
と言わない所。

すごいですね。本当は
「俺も60よ。終わって早くビール飲みたいのよ!」って言いたいの
だろうけれど、

そこはスター、少しもそんな事は言わず、

「みんな、有難う!!今日は本当に有難う!」と言って頭を低くした。

そして、「では唄います。」と言ってから2曲位は唄うんですね。
すごいね。すごいですね。このプロ根性。
(私はここで、もうすでに内心早く
終わらないかな、と思っているのです。
いや、ファンの半分はそう思っているはず。)


それはそうと、隣の男性、ステージが終わると放心状態で唯唯静かに
座っているではありませんか。その変貌ぶりが余りに見事だったので

「お疲れ様でした。」と私が声を掛けると

「お疲れ様。お騒がせしました!!。」と挨拶をしていましたから、

「お歌お上手なんですね。」と私が言うと

「いや~、ご迷惑をお掛けしました。」とさらに低姿勢で恥ずかしそう
に話をしていました。
その顔はもう、すっかり普通の人に戻っていました。

戦い済んで日が暮れた、のかコンサート終了後、隣近所はみな、
同窓生になっていたようです。

不思議、まるで日本タオル普及協会の集まりのように手に手に持った
タオルは日本○○党の党員の証であるかのように、すっかり洗脳され
た一万人のファン。

集まった会場を出ると、熱気で身体がほてり、冬空の空気
が程良い冷却剤となっておりました。

ふぅ~、もう充分堪能しました。外から見たら、めいめいにタオルを
持参して一体何処のお風呂屋さんに行くのだろうと思ったことで
しょう。

「僕はねぇ、18歳の頃、音楽の道へ進もうと思っていたから、楽典
というのを、読んでいたのよ。クラシックの人とか、音楽をやって
いる他の人には申し訳ないんだけど、、、、、
役に立たなかったね。」(うんうんと頷き、自ら納得している様子)

「剣道やる時に竹刀が必要なように、テニスをやる時にラケットが
必要なように、音楽をやろうと思った時に楽典を持っていると、
何だかそれだけで、上手くなるような気がしたのよ。ひとつの
御呪いのようにね。」

なんてことをスターさんははMCで取り上げておりました。
楽典って、辞典と同じような物だから、何か分からない時に紐解く
ものなんじゃないの?
竹刀やラケットや御呪いとはちょっと違う?と思ったのは
私だけだったかしら。

ま、Rockは理屈じゃないよ、と言いたかったのでしょうね。

画像









矢沢永吉 1995年コンサートツアータオル JUST TONIGHT
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1995年のコンサートツアーで売られたタオルです。14年前の商品が新品の状態で入荷しました!!超激レ

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